第2回コペル君と眞人が重なった瞬間 吉野源三郎の孫がみた「君たちは」

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 宮崎駿監督の新作映画。タイトルはなぜ、「君たちはどう生きるか」だったのか。

 吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」とは、少年の葛藤と成長を描いた物語という意味では共通するが、宮崎監督の強い思いも無関係ではないだろう。

 宮崎監督は小学生のとき、教科書に載っていた「君たちはどう生きるか」の冒頭部分、つまりコペル君が叔父さんと銀座のデパートの屋上から見下ろして「人間分子の法則」を見いだす場面に強い印象を受けたという。自身の蔵書をスタジオに持参し、若い制作スタッフにも読むよう勧めたところ、作品のタイトルを決める段になって、一人が「『君たちはどう生きるか』がいい」と提案したと明かした。

映画「君たちはどう生きるか」のタイトルのもとになった同名の本は、戦前~戦後に活躍した文化人・吉野源三郎の著作です。源三郎を祖父にもつ吉野太一郎記者が、映画を入り口に、本のメッセージに改めて向き合います。

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 ちなみに、映画の序盤とラストシーンにこの本が登場することも、宮崎監督は2017年の時点で私たちに明かしていた。「この子(主人公)が変わるきっかけになる本にしようと思っているんです」と話していた宮崎監督。その意味は、作品を見て初めて理解した。

 映画で「君たちは~」の本は…

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