最低賃金1千円超え、次の目標どう決める? 経済界には警戒する声も

有料記事ニッポンの給料

三浦惇平 田幸香純
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 最低賃金(時給)がこの秋の改定で、政府目標でもあった「全国加重平均1千円」を超える見通しになった。物価高をふまえて引き上げ額は過去最大となるが、それでも生活に十分な額とは言いがたく、国際的にみても低水準だ。次の目標をどう決めるかが、今後の焦点となる。(三浦惇平、田幸香純

 全国加重平均で41円(4・3%)という過去最大の引き上げ額の目安は、どう決まったのか。

 最低賃金を決める際は、「労働者の生計費」「一般的な賃金水準」「企業の支払い能力」という3要素を考慮することが定められている。

 議論の舞台となった厚生労働…

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    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2023年7月29日13時55分 投稿
    【視点】

    賃金はもっと上がるべきだ、と思っている人は多いでしょう。最低賃金の上昇はもちろんですが、春闘での賃上げも、好意的な報道が多い印象です。 他方で、物価の上昇は困る、と報じられています。ある商品が来月から〇円値上げ、といったニュースは、家

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    田幸香純
    (朝日新聞記者=働き方、企業、消費)
    2023年7月29日10時55分 投稿
    【視点】

    最低賃金の審議をめぐり、中小企業に取材する機会が多かったです。取材先では、すべての従業員を最低賃金で雇っている企業はありませんでしたが、新人の時給や学生バイトについては、最低賃金の水準で雇っている企業が目立ちました。ここ数年は3%の引き上げ

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