なぜ海洋冒険家のスポンサーに? 「結局、人柄」 納得した柳田将洋

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 バレーボール日本代表の柳田将洋(30)が、海洋冒険家白石康次郎(56)と語り合った対談の後編。なぜ、スポンサーは冒険家に大金を投じるのか。柳田は、その答えに納得した。

 白石 「海外はどこでやったんですか? どうだった?」

 柳田 「ドイツとポーランドです。すごく楽しかった。文化の違いを肌で感じて、自分が考えていたこと、常識が崩れた。思っていたことが当たり前じゃなくて、違う考え方が当たり前にあることを、生活を通して理解できて、受け入れられた。人生としても、よかったなと思った3年間でした」

 白石 「今は日本ですよね。どうなんですか、日本のバレーは?」

 柳田 「海外は、クラブによっては給料の支払いが遅れたり、環境が悪かったり、選手とスタッフの関係があんまりよくなかったり。日本は全部がクリーンで、お金の関係もちゃんとしているし、選手の雇用は保障されていて。ただ、海外の方が、すごい熱量。いいところと悪いところが、肌で感じて分かりました」

 白石 「野球だったら、甲子園があって、プロがある。バレーは春高(全日本高校選手権)の後、プロになる人がほとんどなの?」

 柳田 「基本的に、みんな大学に行きます。Vリーグはまだプロリーグではないので、くくりではアマチュア、実業団リーグ。(選手と)プロ契約するチームも増えているんですけど、半分もない。プロ契約の選手は4分の1、5分の1もいないかな。社員として会社と契約して、バレーをするのが一般的です」

 白石 「バスケットボールは、プロ化でどんどん燃え上がっているじゃないですか。同じ室内競技で、バレーもどうなの? プロ化を進めた方がいいんですか? 今の状態がいいんですか?」

 柳田 「僕の意見は、もっと大きくするならチャレンジして、プロ化の方向にかじを切った方がいいと思っています。ちょうどいま、バレー界も、少し移行していこうとしています。これから変わると思うんですけど。スポーツとビジネスがかけ合わさることを理解した上で、かじを切っていかないと、停滞していくんじゃないかという怖さがあります」

 白石 「友だちの寺廻太(元男子日本代表監督)がJTの女子の監督だった時、たまに試合を見に行っていました。女子も実業団だよね。日本の場合、プロ化した方がいいのかね」

 柳田 「(バスケットの)Bリーグを率いた方が、Vリーグの副会長として入ってくださって、今までよりもすごいスピード感でやってくださっている。他の競技もどんどんかじを切ろうとしている中、アリーナは何個もあるわけじゃない。アリーナを確保できなかったり、こっちの競技が面白いとなってしまったり……。負けないように価値を上げていかないといけない。そこは大事だと思います」

 白石 「プロは職業だから、やっぱり社員の選手と必死さが違うよね。どう思う?」

2人が考えるアスリートにとっての「覚悟」とは? 対談はまだまだ続きます。記事後半では対談動画もお楽しみいただけます。

 柳田 「そうだと思います…

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