戦争終結へ「橋渡しできる」 インドネシア大統領が取材に語ったこと

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聞き手・半田尚子 翁長忠雄 春日芳晃/取材協力=リズキ・アクバル・ハサン
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 主要7カ国首脳会議G7サミット)開幕を前に、インドネシアジョコ大統領が18日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。平和の象徴である広島でのサミット開催を歓迎し「核兵器は破壊されなければならない」と、核廃絶を支持する姿勢を明確に示した。主なやりとりは以下の通り。

 ――日本との経済関係についてどう見ているか。

 日本はインドネシアにとって非常に重要なパートナーだ。自動車産業をはじめ多くの投資が日本からインドネシアに寄せられている。ただし今は多くの国の競合相手がひしめいている。日本にはスピードと積極性を求めたい。(企業は)すでにインドネシアにネットワークを持っているのだから。

 ――競合相手とは中国や韓国の企業のことか。

 中韓に限らない。たとえばドイツアラブ首長国連邦(UAE)も来ている。私たちは独フォルクスワーゲン電気自動車(EV)のバッテリーの生産について話をしているところだ。別のドイツ企業のBASFも、ニッケル・コバルト混合水酸化物の製造工程をインドネシアに立ち上げたいと言っている。

 こうした競合相手と比べても日本は非常にいいネットワークをインドネシアに持っているし、市民からの反発もないように思う。

核兵器への立場は「明確で強固」

 ――日本がよりよいパートナーになるには何が必要か。

 スピードと積極性、これに尽きる。

 ――グローバルサウスのリーダーの一角として、G7関連会合でどのような問題を提起する考えか。

 グローバルサウスは世界人口の85%を占めるということを念頭に置いてほしい。その利益に全世界が耳を傾け、考慮に入れる状態が理想的だし、グローバルサウスが発展する権利は尊重されねばならない。単なる原材料の輸出だけではなく、加工して付加価値を得られる(製造、流通、販売業などの)川下産業を発展させることが必要だ。それこそが途上国の成長のカギになる。

 インドネシアはすべての国と分け隔てなく平等で包括的な協力を推進する。とても重要なことだ。

インタビュー後半では、米中対立やロシアによるウクライナ侵攻、日本とASEANの協力、ミャンマー問題などについて語っています。

 ――G7サミットが、核兵器…

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