政府は11日、人工知能(AI)に関する政策の方向性を議論する「AI戦略会議」の初会合を首相官邸で開いた。活用と規制の両方に目配りし、技術面だけでなくルールや教育などを含めて幅広い議論を進めていく。議論の内容は「骨太の方針」などの政府方針や、主要7カ国(G7)などで主導する国際ルール作りに反映させる考えだ。
「ChatGPT(チャットGPT)」など生成AIが普及する中、技術開発や活用だけでなく、人権への配慮や透明性の確保なども求められている。会議では、課題やリスクなどの論点が事務局から示され、AIに詳しい研究者やIT企業経営者、弁護士ら8人が意見を述べた。
「内燃機関(エンジン)やインターネットなどと並ぶ発明」とも評され、社会を大きく変える可能性があるとされる生成AIについて、日本では取り組みの遅れが指摘されている。個人情報や著作権侵害をめぐる懸念も根強い。座長の松尾豊・東大大学院教授は「世界中で様々なルール作りが進む中で、日本が議論をリードできるとよい」と記者団に語った。(小手川太朗、目黒隆行)
「規制の導入で、ビジネスの予見性が高まる面もあるのでは」
「ゆくゆくはITサービスを輸出する国にしていくことめざすべきだ」
岸田首相ら閣僚も同席する有識者会議として始まった11日のAI戦略会議。参加者からは、AIをめぐる現状分析や、政府への注文が次々に出た。
岸田文雄首相は2日前の9日にも「車座」と称する意見交換会で、若手のAI研究者や経営者の話を聞いていた。自らの発案で「現場の声」を聞く場を設けたのだという。
「G7でリーダーシップを発揮」と首相は言うが…
連日のように会合をこなして対応を急ぐ背景にあるのが、広島市で今月19日に開幕する主要7カ国首脳会議(G7サミット)だ。
議長国を務める日本は4月末…
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