【そもそも解説】学術会議の法改正は必要か 改革急ぐ背景に軍事研究

有料記事そもそも解説

嘉幡久敬
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 首相による会員候補の任命拒否問題に端を発した「学術会議」問題が正念場を迎えています。

 法を改正して組織や会員選考のあり方を改革しようとする政府・自民党に対し、学術会議は「学術の独立性」を盾に反対しており、両者の対立は17日の学術会議総会の議論でも解けていません。今後の行方しだいでは、日本の学術界の国際的な信頼性に関わる事態になりかねません。

 学術会議問題とは何か、何を争っていて、なぜこじれているのかを解説します。

 Q そもそも、学術会議って何?

 A 日本学術会議はもともと、大日本帝国が1920年に設立した学術研究会議を前身とする。科学者が太平洋戦争に協力したことを反省し、戦後まもない49年に設立された国の機関だ。

 日本学術会議法では、その時々の政策上の課題に対して、科学の観点から助言を行う機能が定められている。これまでに、原子力の研究開発をめぐって「公開・民主・自主」の三原則を決議し、これが国の原子力基本法に採り入れられたりしたほか、南極観測や地震研究、宇宙開発など、政策に大きな影響を与える勧告を出してきた。

 今回、助言を受ける立場の政府が、学術会議のあり方を変えるため、学術会議法を改正する法案の提出をめざしている。

 Q 国はなぜ法改正が必要だとしているの?

 A 学術会議は政府に対する…

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