高齢者は実は若い人に投票したい? シルバー民主主義の誤解とく実験

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原田朱美
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 選挙のたびに聞こえてくる言葉のひとつが「シルバー民主主義」。人口が多く、投票率が高い高齢者を優遇した政策が行われることだ。でもそのイメージは、本当に合っているのだろうか。早稲田大学の尾野嘉邦教授(政治学)の研究では、前提が覆るような結果が浮かびあがった。

 尾野教授は「若者対高齢者という対立構図でとらえていては、問題の解決にはならない」と指摘する。

 まずはデータを確認しよう。

 選挙で当選する人は、圧倒的に年齢層が高い。朝日新聞の調査では、全国の1788地方議会で、60歳以上の議員の割合は63・9%(2023年1月時点)。18歳以上の日本人に占める60歳以上の割合41・2%に比べると多い(2020年国勢調査)。

 投票率も、高齢者の方が高い。例えば2021年の東京都議会議員選挙では60代の推定投票率は53・72%。20代の25・8%のほぼ倍だ。

 これを単純につなげ、「高齢者が高齢者に投票して、高齢者のための政治になっている」と思ってしまいそうになる。

 尾野教授は、「本当に高齢者は、若い候補者に投票したがらないのだろうか」と疑問をもち、実験をした。

 その結果、むしろ「高齢者は…

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