「私たちは実験台」新型の米国製原発が建つのは自宅前 憂う東欧の町

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ドイチェシュティ=野島淳
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 世界でまだ一つも稼働していない最新鋭の原発が、ルーマニアの首都から80キロの町に建設されようとしている。技術を開発したのは米企業。バイデン米大統領も後押しするが、敷地と民家は目と鼻の先だ。事業者は安全性は確保されているというが、地元住民らは口をそろえる。「私たちは実験台だ」(ドイチェシュティ=野島淳

 原発の建設計画があるのは、ルーマニアの首都ブカレストから北西約80キロの町、ドイチェシュティだ。人口約4500人で、建設予定地は約13年前に閉鎖した石炭火力発電所の敷地だ。

 現地を訪ねると、整地のために土砂やがれきを運ぶトラックが頻繁に出入りしていた。ぼろぼろのコンクリートの塔からは、何十本ものさびた鉄筋が垂れ下がる。昨年11月、爆破解体された冷却塔の残骸だ。

町長「私に権限はない」

 その周りには、シャベルで土砂を掘り返す人たちがいた。

 「売れる金属がないか探して…

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