欧米企業がしのぎ削る中国 グローバル化めざす日本企業に大切なこと

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聞き手・吉岡桂子
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 生産拠点から巨大市場へ。中国が改革開放政策に踏み出してから、日本企業にとって中国経済との結びつきは強まるばかりです。みずほ銀行中国営業推進部上席主任研究員の細川美穂子さんは、民間銀行の中国ウォッチャーとして日本企業のビジネスを支える視点から調査・分析を続けてきました。中国駐在は14年に及びます。1月、上海から帰任したばかりの細川さんに聞きました。

 ――成長が減速する中国経済と、どうつきあえばよいのでしょうか。

 日本企業の中には現地から届く情報を日本の本社が生かしきれず、好機を逃す場合があります。残念ながら日本メディアの報道は、過剰に悲観的な見方に偏っていると感じてきました。日本社会の空気に流されず、中国の現状をよく知ることが大切です。

 中国経済はいつ崩壊するのか? 2010年前後に質問を受けたものです。しかし、この間で中国の経済規模は約2倍になり、日本の約3倍に達しました。00年代のような10%成長には戻りませんが、3%成長でもタイ1つ分のGDPが増えます。そういう規模感です。

 そのすべてを相手にビジネスはできないし、しなければならないわけではありません。中国は大きく、世代、地域、産業でリスクもチャンスも大きく異なります。自社がターゲットとする相手はどこなのか。丁寧にみていくことで、自らの強みを生かせる対象や場所を再発見できることもあるでしょう。北京や上海に駐在時はとりわけ、刻々と変化する中国に対する日本の認識の溝を埋めること、全体の方向感を伝えることが役割だと考えています。

 ――中国経済の変化の起点は…

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