「過去があっというまにひっくり返る」 中国経済を内側から探る

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聞き手・吉岡桂子
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 中国の対外経済貿易大学教授を務める西村友作さんは、北京暮らしが20年を超えました。同大学で博士号を取得し、初めての日本人教授として大学院生を指導しながら、中国経済を内側から分析し、日本に向けても発信しています。西村さんの目に映る中国経済のリアルとは。

 ――長く続いた「ゼロコロナ」政策のもとで、大学ではどのように講義していたのですか。

 2020年1月下旬から約5カ月間は大学が封鎖されました。寮に残った一部の学生たちはキャンパスから一歩も出られず、食事は学食以外にも出前アプリで注文していました。修士論文の指導はビデオチャットを利用しました。

 中国のどこの大学も同じだったと思いますが、その年の9月から基本的には対面に戻り、政策が転換される22年末までの間は、学内や地域で感染者が増えるとオンラインに切り替える方式になりました。たとえば22年11月中旬からはオンラインでした。感染者が数人出ただけでも1千人超の学生が学内から郊外の施設へ移され、10日以上の隔離生活を送りました。こんなやり方はもたない、と感じていました。

 ――現在の様子はいかがですか?

 生活はあっというまに平常に戻りました。ゼロコロナ政策への不満があまりにも強かったので、それが解除されたことを受け入れて生活する方が、過去の不満をひきずるよりも現実的な選択なのだと思います。

 中国は変化がものすごく速い…

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