「女性模擬議会」開いたら定員割れ→激戦 地方議員なり手増やすカギ

有料記事これでいいのか?ニッポンの議会

二階堂友紀 土舘聡一 小林恵士
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 人口約2万人の山形県庄内町で2019年と20年、議会の将来を考える町民参加の意見交換会があった。容赦ない意見が参加者アンケートに記されていた。

 「『若者の話を聞いて』と言うが、結局おじいちゃんたちの言い訳」

 「何をやっているか見えない。自己満足しているように見える」

 18年に町議選が県内では平成以降で初という定数割れになり、意見交換会が催された。

 「(議会の)会議開催日数は県内最多の水準。働いている自負はあったが、町民には全く届いていなかった」。当時、なり手確保の議論をリードした一人、小野一晴町議(62)は話す。

 なり手不足解消をめざして設置した特別委員会の提言を受け、県内最低額だった議員報酬を月21万5千円から2万5千円引き上げ、増額分の原資確保のために定数を16から14に減らした。立候補の方法を解説した広報を全戸に配った。

 21年の「女性模擬議会」も取り組みの一つだった。動物愛護について質問した渡部伊君子(いくこ)さん(62)は模擬議会で議場の雰囲気を体験したことを契機に「やれるかも」と自信がついたという。当初は後ろ向きだった夫も、そんな姿を見て協力を約束した。「社会と同じようにいろんな人がいてこその議会。子育てを終えた女性だからこその役割があるのでは」と話す。

 NPO職員の伊藤和美さん(50)も模擬議会で議会の仕組みを知り、「子育てや介護の当事者が不在のまま、施策が決まるのはおかしい」と考えた。2人は翌年の町議選に立候補した。

 なり手確保策を検討する中で…

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