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　2011年3月、元医師の息子らと共謀して夫（当時77）を殺害したとして、殺人罪に問われた山本淳子被告（78）の裁判員裁判の初公判が13日、京都地裁で始まった。山本被告は「私は夫を殺していません。共謀したこともありません。無罪です」と述べて起訴内容を否認。弁護側は、夫が殺害されたとしても、山本被告には共謀はなかったとして無罪を主張した。

　山本被告は、息子の直樹被告（45）=医師免許取り消し、同罪で懲役13年判決=や医師の大久保愉一（よしかず）被告（44）=同罪などで起訴=と共謀して11年3月5日、東京都内のアパートの部屋などで夫を殺害したとして起訴された。

　検察側は冒頭陳述で、山本被告らは、長野県内の病院に入院していた夫を厄介払いのために殺害したと指摘。事件当日の午前、山本被告と直樹被告が夫を退院させ、新幹線で埼玉県に移動したとした。夫は車で都内のアパートまで移動した後に殺害され、山本被告が、偽造された死亡診断書を区役所に提出し、火葬許可証を得たと主張した。

　この事件は、筋萎縮性側索硬化症（ALS）の女性患者から依頼を受けて殺害したとする嘱託殺人事件の捜査過程で浮上。夫は死亡当時、病死とされ、解剖を経ずに火葬された。山本被告らは死亡から約10年後に立件された。（徳永猛城）