帯状疱疹、コロナ下で増えた? 発症した40代の記者が調べてみると

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野中良祐
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記者、発症にショック 水ぶくれ痛い

 帯状疱疹(ほうしん)について知っていますか? 医療取材を10年近く続けてきた記者は知っています。

 体のどこかに水ぶくれが現れ痛いこと、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが再び暴れて発症すること、60代を中心に高齢者に多いこと、など。

 40代の記者は厄年のうち後厄を終えようかという2022年後半に発症。この中途半端で古い知識ゆえ「高齢者の病気にかかるとは…」とショックを受けます。診察してもらった医師の「コロナで増えているみたいですよ。30代、40代も多いですよ」という慰めの裏取りに走りました。

「増加の印象」回答の医師多数 でも、本当?

 医師向けの交流サイトなどを運営する「m3(エムスリー)」が22年に会員医師に実施したアンケート(回答者数939人)によると、コロナ前と比較して帯状疱疹の患者数が「増加している印象がある」と答えたのは24・5%(230人)。「減少している印象がある」と答えた4・8%(45人)を大きく上回った。もっとも多い回答は「特に変化はない」の70・7%(664人)だった。

 「増加している印象がある」と答えた医師に原因を尋ねると、「コロナ禍によるストレス増加」「生活環境や食習慣の変化による免疫力の低下」のほか、「新型コロナワクチンの接種」を挙げる回答もあった。

 なるほど確かに増えている、と結論づけるのはまだ早い。アンケートは医師個人の印象を尋ねており、実際に増えているかは分からないからだ。

 そこで、宮崎県内の40あまりの医療機関が参加して、帯状疱疹の初診患者を1997年から集計している大規模疫学調査「宮崎スタディ」を取りまとめている外山皮膚科(宮崎県日南市)の外山望院長に聞いた。

 コロナ禍で帯状疱疹増えていますよね?

 詳細な集計や解析はまだ、という前提だが外山さんの答えは明快だった。

 「増えたということはありません」

 えっ。どういうこと?

 宮崎スタディによると、帯状…

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