資源大国イランでガス不足深刻 ヒジャブ問題に続く国民の怒りの種に

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テヘラン=飯島健太
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 女性が髪を隠す布「ヒジャブ(ヘジャブ)」をめぐる抗議デモが続くイランで、暖房に使うガスが不足し、国民の反政府感情がさらに高まっている。厳しい寒さで暖房の使用が増えるなか、ガス供給が途絶えた。世界屈指の資源大国で、何が起きているのか。

 イランでは今月に入って連日、多くの地域で零下を記録し、暖房の利用が急激に進んだ。

 「凍えながら不安な夜を過ごした」と話すのは、北部マザンダラン州のタイル製造業の男性(50)だ。11、12日の午後7時ごろから3時間以上、ガスの供給が途絶え、暖房や給湯器は停止した。近所のガス販売店には行列ができていたが、店に在庫はなく、購入できた人はいなかったという。

 政府も事態を深刻にとらえており、オウジ石油相は13日、「ガス供給の維持に努める」と話した。

 だが、供給は追いつかず、製鉄や化学製品といった工場の稼働も制限されている。15日には政府の指示で大半の官公庁や企業、銀行、学校が閉鎖された。

 イランでは昨年9月中旬以降、22歳の女性がヒジャブの「不適切」着用を理由に逮捕後、急死した問題に対する抗議デモが4カ月以上つづく。米国などの制裁やコロナ禍による経済苦もデモ拡大の要因とみられ、今回の「ガス危機」(地元紙)は、多くの国民に新たな不満を抱かせている。

 とはいえ、イランのガス埋蔵量はロシアに次ぐ世界2位。なぜ不足するのか。

 背景には、イランの核開発に…

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