まゆ玉に福願う 足利市の徳正寺で「まゆ玉市」

根岸敦生
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 栃木県足利市本城3丁目の徳正寺で13日、新春恒例の「まゆ玉市」が開かれ、多くの参拝客でにぎわった。

 731(天平3)年に行基が開基したと伝わるこの寺では虚空蔵(こくうぞう)菩薩(ぼさつ)がまつられてきた。1739(元文4)年に虚空蔵堂を改修したのを機に、新年最初の縁日「初虚空蔵」の市が立つようになったと伝わる。

 「まゆ玉」は小正月(1月15日)や初午(はつうま)の日に作られる習俗が全国に残る。足利は古来、養蚕や機業が盛んで、「市で縁起物としてまゆ玉が売られるようになった」と采沢良浩住職は由来を話す。

 足利では今は養蚕業は絶え、繊維関係の会社も減ったものの、年に1度のこの市で多くの参拝者が「まゆ玉」を買いに訪れる。小枝に「まゆ」を模した丸い玉や縁起物をさげた「まゆ玉」かざりを売るのは、今、群馬県邑楽町の女性が1年かけて用意している露店1軒だけになっている。

 この日は近くの足利市役所駐車場が満車になった。参拝客は大きさや枝の具合を確かめながら、まゆ玉を選んでいた。根岸敦生

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