岡山の交通事故の死者、3年ぶり70人台 人身事故は減っているのに

神崎卓征
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 今年は県内の交通事故による死者が増え、3年ぶりに70人台になった。26日までのまとめで、昨年1年間の死者数を18人も上回った。人身事故そのものが減っているにもかかわらず、運転者の不注意による事故死が増えており、県警は緊張感を持った年末年始の運転を呼びかけている。

 26日までの統計で、交通事故による死亡者数は73人。昨年1年間の57人から大きく増えた。年間70人超は2019年の75人以来だ。

 交通事故の件数自体は前年同期に比べ1815件増え、4万7207件になった。このうち物損事故は4万2920件で、同比2134件増だった。

 一方、人身事故は減った。けがを負った人は同比379人少ない4779人だった。人身事故全体が減少した中、死者の多さが際立っている。

 73人の死者のうち、四輪車乗車中の事故による死者は28人。同比12人増だった。自転車乗用中の死者は同比9人増の18人となった。歩行者の死者数は同比5人少ない17人だった。県警は、LEDライトや反射材の着用で歩行者を守るキャンペーンなどが奏功したとみている。

 死亡事故のうち、正面衝突や追突、信号柱や側壁などへの衝突、道路からの転落といった事故で亡くなった人は45人。前年同期より16人多く、全体の6割以上を占めた。

 県警によると、これらの事故は、一方的な過失によるものが多いという。事故原因は、自動車や自転車の運転操作ミスや前方不注意などがある。

 県警交通企画課の内田晃裕課長補佐は、運転に集中することでこうした事故は大幅に減らせたとみている。「年末年始は忙しく、気が散りやすい。運転中は考え事などをせず、緊張感を持って集中して欲しい」と呼びかけている。(神崎卓征)

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