困っている子もいない子も 商店街に中高生たちの集いの場

松尾慈子
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 中高生たちが自由に集える場所を目指し、岡山駅西口の奉還町商店街に地域交流ステーション「verde(ベルデ)」がオープンした。「困っている子も困っていない子も集える場を」。築60年以上の元店舗を、高校生たちがアイデアを出し合いながら改修した。

 岡山市北区奉還町3丁目のverdeは木造2階建て(約165平方メートル)。1階は「カフェverde」(月~金曜午後1~8時)や、無料登録した中高生が自由に利用できる「奉還町ユースセンター」(月~金曜午後4~8時)が入る。読んだ本にメッセージを書き、ゆるやかに人とつながることを目指すミニ図書館も設ける。

 2階部分は未改修で、通信制高校の学習サポート校や、フリースクールにする予定だ。

 ユースセンターでは無料WiFiが使え、自習室や進路相談の窓口にもなる。高校生起業塾などのイベントを予定しているほか、キッチンを使ってカフェを実際に運営することもできる。

 学校以外の学びの場・オルタナティブスクールに取り組む一般社団法人「SGSG」が作った。代表の野村泰介さん(45)は高校社会科の元教員だ。2018年から子どもたちが自由に活動できる場として奉還町に事務所を置き、放課後の居場所の提供や、発達障害不登校の子の学びを支援する塾などを開いてきた。

 「困っている子も困っていない子も集えて、彼らが自由に活動できる場所を作りたい。生活に困窮する子は専門家につなぐなど、支援の最初の窓口になりたい」とユースセンター設立に乗り出した。

 国からの助成金も得て、古い店舗を約1200万円かけて改修。デザインのアイデアやペンキ塗りなどの改修作業の一部は、県立岡山工業高校など周辺の高校生らが手伝った。

 これに先立ち、SGSGは11月、毎週金曜日に高校生2人による菓子店「トワイライト」を開業。カヌレ1個150円、クッキーは1枚100円で、近所にファンができているという。

 野村さんは「3年続くコロナ禍で、子どもたちが遊ぶ機会を失っている。ここなら商店街の皆さんが子どもの育ちを見守ってくれる。若者の自主的な活動を積極的に応援したい」と話している。問い合わせはSGSG(086・897・2476)。(松尾慈子)

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