茨木のり子「一番きれいだったとき」 挙手の礼して発ったのは…

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山本奈朱香
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 戦後を代表する詩人茨木のり子(1926~2006)のよく知られた詩「わたしが一番きれいだったとき」に、こんなくだりがある。

     ◇

 わたしが一番きれいだったとき

 だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった

 男たちは挙手の礼しか知らなくて

 きれいな眼差だけを残し皆発っていった

     ◇

 愛知県立熱田高校(名古屋市)で校長を務める熊谷誠人さん(60)は2015年、茨木が通った西尾幼稚園から西尾高等女学校(いずれも愛知県西尾市)までを茨木の1学年下で過ごした女性から話を聞いて、驚いた。

 女学校時代、年度途中で「男の先生」が召集されて戦死したという。「男の人はみんな挙手の礼をして行かれました。詩の通りです」

 熊谷さんは45歳から5年間…

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