ドローン飛ばし、海ごみをスイスイ回収 事業化へ岡山・倉敷で実験

松尾慈子
[PR]

 海水客でにぎわう砂浜は、海岸線のごく一部だ。ドローンの技術を使えば、人里離れた浜に打ち付けられた海ごみを効率的に回収できるのではないか。そんな実験が29日、岡山県倉敷市で実施される予定だ。

 潮流により海ごみが漂着しやすい浜があるが、そこに道路が通っているとは限らない。県は2020~21年、人が徒歩で向かわざるを得ない3カ所の浜を調査した。

 倉敷市下津井田之浦の海岸で約50メートルを清掃したところ、1回で約200キロのごみを回収した。職員が手分けし、けもの道を徒歩で運ぶのが重労働だったという。

 県は29日、公益財団法人・水島地域環境再生財団、ドローンを提供する一般社団法人MASC(倉敷市)と協力し、実際にドローンを飛ばしてごみを運ぶ実験をする。

 使用するのは幅約2メートルの大型ドローンで、最大ペイロード(積載量)は約30キロ。10キロ搭載時で最長約15分間飛行することができる。最高時速は約60キロだ。

 実験では、まず職員が浜でごみを集める。約500メートル離れた場所からドローンを飛ばし、ごみを載せ、出発地点まで戻る運びとなっている。

 県の担当者は「海ごみは船で回収することも可能だが、崖などの危険な場所でも安全に回収できるかを確かめる実験ともなる。今回で問題点を洗い出し、事業化できるかを検討したい」と話している。(松尾慈子)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら