人類は78万年前から調理 火加減調整、「世界最古」の料理はコイ?
人類は、約78万年前から「料理」をしていた――。中東イスラエル北部のヨルダン川流域にある遺跡で見つかった大量の魚の歯から、そんな事実が明らかになった。人類が火を使って調理をしていたことを示す証拠としては世界最古とみられる。
テルアビブ大学などを中心とした国際研究チームが14日、発表した。
イスラエルメディアなどによると、遺跡で見つかったのはコイに似た魚の歯。遺跡近くの湖で捕獲され、体長2メートルに上る巨大な個体もあったという。
研究チームは分析の結果、その地域にいた約78万年前の人類が、火加減を適切に調節し、「骨が溶けるまで、じっくりと加熱して食べていた」と結論づけた。
これまで、人類が調理をしていたことを裏付ける最も古い証拠は、約17万年前のものだった。今回の発見は、それよりも60万年以上前にさかのぼる。南アフリカの洞窟では100万年前には火が使われていたことを示す灰などが見つかっているが、調理との関係は証明されていなかった。
研究チームは共同声明で「(この地域の人類は)住環境やそこにある資源を熟知し、それを最大限に活用するための手段を身に付けていた」と説明。魚だけでなく、他のさまざまな動物や植物も調理していた可能性がある、としている。(エルサレム=高久潤)
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- 【視点】
ホモ・サピエンスの登場は約20万年前だといわれているから、それよりもずっと古いタイプの「人類」のことだろう。ネアンデルタール人だって登場は約35万年前。「骨が溶けるまで、じっくりと加熱」とあるが、煮たということ? いったいどういう器を使って
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