最後に会ったのは製鉄所の地下シェルター 捕虜交換、家族が涙の再会

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坂本進 キーウ=多鹿ちなみ

 「捕虜交換された。今、ウクライナ側にいる」

 不意の電話だった。

 9月21日、ウクライナ南東部マリウポリ出身のアナスタシア・ミヒロフさん(27)は、一時避難先のドイツで、一人息子のイワン君(5)との散歩中に、電話を受けた。

 まさか……。

 声を聞いて、半年近く詳しい消息がわからなかった夫のアンドリーさん(32)だとすぐにわかった。

 アンドリーさんはマリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」で、国境警備隊員としてロシア軍に抗戦。5月下旬に捕虜としてロシア側に拘束された。夫婦が最後に会ったのは3月終わりごろ。製鉄所の地下シェルター内だった。

 電話を受けて数日は、現実のこととは信じられなかった。「やっと会える」。ドイツからの帰国の手配を整え、再会の日は10月2日に決まった。

 この日はイワン君の誕生日の…

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