第1回高橋成美さんが経験したフィギュア ずるいと言われ、かかるお金は…

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 2014年ソチオリンピック(五輪)のフィギュアスケートペア代表の高橋成美さん(30)は、小中学生の頃、学校に行くのがあまり好きではなかった。

 「なるちゃんだけ、ずるい」

 そう言われてしまうからだ。

 朝は2時間ほど練習してから登校し、放課後はまっすぐリンクへ。レッスンの前後にも自主練習をし、帰路につくのは午後10時という日々を送っていた。

 それでも足りず、昼休みと午後イチの授業を抜けたり、掃除当番を免除してもらったりして練習時間にあてることもあった。母が車で送迎してくれた。

 それらが同級生の目には「特別扱い」と映った。

 「できるだけ学業に支障が出ないようにスケジュールを組んでいたつもりでした。私よりももっと練習したり、フィギュアに生かすためにバレエやトランポリンを習ったりしている子はたくさんいたので、私自身は練習量が特別多いとは感じていませんでした」

 3歳のときに小児ぜんそく改善のため、医師に勧められたのがフィギュアを始めるきっかけだった。たまたま近所にリンクがあったから、という理由で2歳上の姉と通うようになった。

 専業主婦だった母は送迎などのサポートはしてくれたが、練習をつきっきりで見守るわけでも、口を出すわけでもなかった。

 むしろ、両親とも「スケートをやめた後の人生の方が大事。スケートをやりたいなら勉強も頑張りなさい」という考えだった。

 のめり込んだのは高橋さん自…

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2022年10月31日12時54分 投稿
    【視点】

     以前取材した女性は、3人の子どもたちにフィギュアスケート、ゴルフ、テニスを習わせていました。この3種目にしたのは「お金に余裕がある人しか子どもにさせない。野球やサッカーよりトップに行ける確率が高いから」でした。こういう理由もあるのかと感心

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2022年10月31日8時54分 投稿
    【視点】

     フィギュアスケートは「見るスポーツ」としての人気と、「するスポーツ」としての環境整備不足に、乖離が大きい競技です。  特に、子どもが本格的にやろうとすると、過酷な生活が待ち受けています。早朝や夜の練習、長い移動時間で余裕のない生活となり

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