竹野比奈(25)は、冗談めかして笑った。
「一緒に練習している子たちもみんな若いので、元気だなって」
「え?」と思った。記者は9月からフィギュアスケート担当になった。知ってはいたが、いざ選手から聞くと戸惑ってしまう。“25歳”は十分若いのに――と。
フィギュアは他のスポーツとは「趣」が違う。
幼少期から競技を始めて、本格的に競技会で活躍できる年齢はあっという間に過ぎていく。トップ選手の場合、10代半ばから活躍することが多く、大学卒業とともに大半が一線を退いていく。20代半ばまで競技を続ける選手は、全国でもごくわずかだ。
竹野は、その「ごくわずか」な道を選んだ一人だ。
10月15日、記者サロン「子どもたち、スポーツつらくない?」
フィギュアスケートの英才教育の現状と課題について、コーチの林渚さん、スポーツ教育学者の平尾剛さんと議論します。ぜひご視聴ください。
周囲の同年代はやめていき、「不安はあった」。それでも続けようと思ったのは、自分自身のためだけでなくスケート界のことも考えたからという。
「(選手寿命が)すごく短いなって思います。もったいないなって」
競技者としてだけでなく、一人のスケートファンとして、竹野はそう思っている。
若いころに活躍していた選手がいつの間にか競技をやめ、指導者側に回っている。同年代だけでなく、自分より下の世代でも引退している選手は多い。そんな風潮をなんとか変えられないだろうか……。
競技を続けようか悩んだ時…
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