安倍氏と教団、「調査に限界」という言い訳への苛立ち 江川紹子さん

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 「『限界がある』という表現は、一生懸命やったけれど目標や目的には達しなかった時に使ってこそ、理解が得られるものだろう。これを、何もやらない、努力をしないことの言い訳で言われても、『なるほど』とはならない」

 9月8日配信の記事「安倍氏と旧統一教会の関係、調査せず 岸田首相『確認に限界ある』」に、ジャーナリストの江川紹子さんは、そうコメントした。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題をめぐっては、教団の友好団体が開いたイベントにビデオメッセージを寄せるなどした安倍晋三元首相と教団との関係が取りざたされている。だが、岸田文雄首相は9月8日の衆院議院運営委員会閉会中審査で、立憲民主党泉健太代表の質問に「お亡くなりになった今、確認するには限界がある」と述べ、関係を調査しない方針を示した。

 江川さんはコメントで、亡くなった安倍氏から直接話を聞けなくなったとしても、安倍氏が「考えや思いを誰かに語ったり、書きのこしたりしていれば、考えを知る手がかりになる」と指摘。教団の支援を受けた議員や教団関係者に尋ねれば「安倍氏が選挙において果たした役割は、かなり明らかになるだろう」との見方を示した。

 さらに、安倍氏の事件は民主主義の根幹である選挙中に起きたと首相が繰り返していることに着目。「その選挙において、有権者に知らされないまま、最大与党が反社会的な行為が問題になっている団体と協力関係にあった事実や、もしかしたらその関係が政策面にも影響を及ぼしたのではないかという国民の疑念を招いている状況を軽く見過ぎではないのだろうか。これはまさに、『民主主義の根幹』に関わる事態だと思う」。そして、こうコメントを締めくくった。

 「様々な方法を駆使して十分調査したけれども、『限界』があって分からない部分が残った、というのであれば、仕方がない。ところが、ハナから『限界』を持ち出して何もやろうとしないから、見ていて苛立(いらだ)ちが募るのだ」

 この記事や、江川さんのコメント全文はこちらから(http://t.asahi.com/wm72別ウインドウで開きます)。同じ記事に、朝日新聞の藤田直央編集委員、前田直人コンテンツ戦略ディレクターもコメントしています。あわせて、お読みください。

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