白井晃、再びの公共劇場芸術監督 神奈川から世田谷「開かれた場に」

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編集委員・藤谷浩二
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 今春、世田谷パブリックシアター(東京・三軒茶屋)の芸術監督になった白井晃が就任第1作のイタリア現代劇「住所まちがい」を演出する。2016年から21年までKAAT神奈川芸術劇場(横浜)の芸術監督を務め、公共劇場を担う立場から演劇界の変化やコロナ禍の危機に直面してきた。自らも「思いがけないこと」という劇場を移っての再登板。「演劇をもっと開かれたものにして、次世代に手渡したい」と抱負を語る。

世代交代への思いと心残りと

 KAAT芸術監督の後任に長塚圭史を招き、他の劇場も含めて世代交代が進めばよいと考えていたところ、過去に多くの作品を手がけ、表現の場として大切にしてきた世田谷から就任依頼があった。「前任の野村萬斎さんより年上だし、ずいぶん悩みました。でも、最終的に嫌と言えなかった」

 コロナ禍のためKAATでの総仕上げと考えていたブレヒト劇「コーカサスの白墨の輪」が中止、一柳慧作曲のオペラ「モモ」が無期限延期となり、不完全燃焼だったという思いも背中を押した。

記事の後半では芸術監督就任第1作「住所まちがい」に出演する仲村トオルさん、渡辺いっけいさん、田中哲司さん、朝海ひかるさんとの芝居づくりについても語ります。

 KAATでは若い才能を積極…

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