「非甲子園組」の意地、あのプロの主力打者と重なる 野球U18W杯

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編集委員・稲崎航一
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 右中間スタンドへと描かれた放物線が、11年前の記憶と重なった。

 野球のU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯、9~18日、米フロリダ州)に出場している高校日本代表が8月31日、ZOZOマリンスタジアムで大学日本代表と壮行試合を戦った。

 1―4で敗れた高校代表の中で目を引いたのが、4番内海優太(広島・広陵)が放った本塁打だった。

 金属製バットに比べて飛ばないとされる木製バットを使い、右中間スタンドまで運んだ。

 篠木健太郎(法大)が投じた146キロの速球に力負けしなかった。

 「投手のレベルがすごく高いので、狙い球を絞りました。こういう大舞台で打てたのは印象に残ります」

 内海は今春の選抜大会に出場したが、夏の全国選手権には出ていない。広島大会3回戦で、英数学館に1―2で敗れた。

 自分たちが出ていない甲子園をテレビで見た。悔しさを募らせ、練習に打ち込んできた。

 「地方大会で負けた後も、代表に選ばれると信じて木製バットで練習してきました」

 11年前にも似たような選手がいた。

 2011年夏。神奈川県で行…

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    稲崎航一
    (朝日新聞大阪スポーツ部長)
    2022年9月10日10時18分 投稿
    【視点】

    甲子園が終わった後の全日本というと、米国やハワイへ行くなど甲子園組のご褒美的な親善試合の印象が強いかもしれません。 しかし、近年はアジアや世界で競う真剣勝負になりました。代表メンバーも甲子園の勝ち進みは参考にしつつも、何度も会議を経て

    …続きを読む