歴代知事で知る沖縄史のダイナミズム 基地と経済、保革一致した思い

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 1972年の復帰以降、沖縄県知事は8人にのぼる。保守・革新でふりこのように、争奪を繰り返してきた。沖縄の知事に求められるものは何か。近刊の「沖縄県知事 その人生と思想」(新潮社)で、8人の足跡をふりかえった野添文彬・沖縄国際大准教授にきいた。

 ――専門は国際政治や日米関係です。なぜローカルな存在である知事たちに興味をもたれたのですか?

 「沖縄に住み始めて10年ですが、研究者として発信する中で、どうしたら本土の人々に沖縄をわかってもらえるのか、という葛藤がありました」

 「玉城デニー県政で『米軍基地問題に関する万国津梁(ばんこくしんりょう)会議』のメンバーとして2度にわたって米軍基地の整理・縮小について提言しました。中国のミサイル能力の向上などを踏まえ、米軍の兵力構成や基地のあり方を柔軟に再検討し、沖縄の米軍基地の整理縮小を加速するべきだという内容です」

どの知事も激動の人生

 「論理的に話をすれば、本土にも理解してもらえると信じていました。少なくとも議論は進むだろうと。しかし反論すらもない。沖縄問題についてあまり差別という言葉を使いたくないのですが、これが無関心という差別かと初めて思いました」

 「では、どうやったら、自分…

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