写真家106人の「原点」 北杜・清里で凱旋帰国展

山下剛
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 海外や日本を代表する写真家に加え、若手写真家ら106人の作品を集めた「原点を、永遠に。」展が山梨県北杜市高根町清里の清里フォトアートミュージアムで開かれている。「すべての写真家にスタート地点がある」をテーマに、35歳までに撮影された若き日の代表作を集めた。

 展示は3部構成で、第1部は19世紀の写真草創期から20世紀までの34人の作品を展示。ロバート・キャパ水俣病の公害を記録した写真で知られるW.ユージン・スミスの作品も。

 第2部は日本の戦後写真の礎を築いた29人の作品を紹介する。6月に93歳で死去した田沼武能(たけよし)さん、動物写真家の岩合光昭さん、「アラーキー」の愛称で知られる荒木経惟(のぶよし)さんらの「原点」ともいえる作品が並ぶ。

 一方、「ヤング・ポートフォリオ」と題した第3部は、若手写真家が主役だ。

 ミュージアムは1995年の開館以来、35歳以下(当初は30歳以下)の若手写真家を対象に作品を公募。これまでに46カ国の写真家約800人の6千点を超す作品が収蔵されており、今回はそのうち43人の作品が紹介されている。

 学芸員の綱恭行さんは「若手写真家のキャリアアップにもつながってきた」という。

 「原点を…」展は2014年に東京都写真美術館、18年に国立台湾美術館、21年には米カリフォルニア州のサンディエゴ写真美術館を巡回し、今回「凱旋(がいせん)帰国」した。

 綱さんは「歴史的な写真家から現代写真家の作品までそろっており、自らの生い立ちなど過去を振り返り、自分と対話しながら鑑賞できるのでは」と話す。

 展示は9月25日まで。8月31日までは無休で、それ以降は火曜休館。

 開館は午前10時~午後6時(入館は5時半まで)。入館料は一般800円、学生600円、高校生以下無料。家族割1200円(2~6人)。問い合わせは同館(0551・48・5599)へ。山下剛

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