王者になった羽生結弦に苦難 オーサー氏「心がかき乱されたと思う」

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金島淑華
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 「五輪王者」という肩書を背負って迎えた2014~15年シーズン。

 羽生結弦ソチ五輪、世界選手権、グランプリ(GP)ファイナルの3冠を「過去の栄光。もう去年のシーズンのことですから」と言い切った。

 「ここでやめるんだったら、威張ってもいいと思うんです。でも、僕は現役。変わっていくことをやめずにいたい。常に変わって、自分を高めたい」

 「ソチ五輪までの4年間と、これからの4年間は、まったく違うものにしたい。今シーズンは、新しい自分で勝ちにいくんだ、という気持ちでやっていきたい」

 フリーは自らの五輪シーズンより4回転を一つ増やし、3本組み込んだ。失敗のリスク、体力の限界への挑戦――。強い意志が新しいプログラムからも感じとれた。

 まだ19歳。この勢いなら、右肩上がりの成長を見せてくれるはずだ。そう信じて疑わなかった。

 王者に苦難が訪れると、誰が想像できただろうか。

 初戦となった11月のGPシリーズ中国杯。フリー直前の6分間練習で他の選手と衝突し、負傷した。

 頭に包帯を巻き、あごに絆創膏(ばんそうこう)を貼った姿でリンクに戻ってきたが、ジャンプで5度も転倒した。ジャンプのタイミングまで音楽とぴたりと合わせる彼らしい演技とはほど遠かった。

 帰国後の検査結果は、頭とあごを縫い、左太ももや右足首を痛める全治2~3週間のけがだった。

 3週間後のNHK杯に出場したものの、ショートプログラム(SP)もフリーもジャンプで失敗が重なった。

 「絶望的な終わり方」…

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