年度が替わったばかりの4月1日、新天地に飛び込んだ体操選手がいた。
田中佑典(ゆうすけ)(32)。「田中3きょうだい」と聞けば、ピンと来る方もいるのではないだろうか。
兄の和仁(かずひと)(37)、姉の理恵(35)とともに2012年のロンドン・オリンピック(五輪)に出場して話題を集めた。4年後のリオデジャネイロ五輪では内村航平らと団体金メダルに輝いた。
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そんな実績のある選手が、大学を卒業してから10年間、所属したコナミスポーツを退社した。最近は低迷気味だが、内村もプロになるまで籍を置いていた。競技に専念でき、指導者にも恵まれた環境だった。
昨秋に肩の手術をし、リハビリに励んでいたはずだが、まさか「肩たたき」にあったのではないだろうか。
詳しい経緯を尋ねたくてインタビューを申し込むと、「じっくり聞いてください」といい、環境を変えた理由を語ってくれた。
「ここ数年、ずっと思っていたことではあったんです。体操だけやっていていいのか、と」
彼の魅力といえば、内村に引けをとらない美しさ。国際大会に行って練習を始めると、海外の選手、指導者が動きを止めて見入るほどだ。
2人を長く指導したコナミス…
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