痛くて赤ちゃんを抱けなかった 難病のママの心残り、支援の力に

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山下剛
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 東京都中央区のうえやまみかさんは昨年、病気を抱えながら子育てをする人を支える一般社団法人「てくてくぴあねっと」を立ち上げた。自分も病気のため、生まれたばかりの赤ちゃんさえ、痛くて抱き上げられなかった。そんな罪悪感が活動のきっかけだ。

「大人の自分が想像できない」

 現在30代のうえやまさんが小児リウマチを発症したのは、1歳のとき。高熱が続き、岡山県内の実家近くのクリニックにかかったものの原因はわからなかった。衰弱するなか、たどり着いた大学病院で病気が判明したという。

 小児リウマチは関節に痛みが出る。一度体調が悪くなると、3カ月ほど入院する日々が続いた。中学校はほとんど通えず、院内学級で授業を受けた。

 「ただ座っているのも、転んで息をしているのもつらかった。大人になった自分の姿が、想像できなかった」

 治療法が進歩し、高校生のころから少しずつ病気をコントロールできるようになってきた。

 それでも、治療に使うステロイドの副作用やなくならない痛みに、「なぜこんな治療をしないといけないんだろう。なぜ私なんだろう」と悩み続けた。

身体が出産に耐えられるのか

 大学院を出て、岡山の実家から上京し、外資系の製薬会社に就職。同じ業界で働く夫と知り合い、結婚した。

 病気のため、恋愛や結婚、出産は諦めていた時期もあったが、夫の前では自分らしくいられた。

 子どもがほしいと思ったものの、不安は大きかった。薬を使ってきた影響はないのか。身体が妊娠・出産に耐えられるのか――。

 同じ病気を抱えながら妊娠・…

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