【そもそも解説】量子コンピューターとは何?技術の仕組みを聞いた

有料記事そもそも解説

構成・小堀龍之
[PR]

 量子コンピューター量子暗号といった「量子技術」への注目が高まっています。なぜ、いま注目されるのか。量子技術に詳しい科学技術振興機構研究開発戦略センター(CRDS)の嶋田義皓(よしあき)フェローに聞きました。

Q 量子技術とは何でしょうか

A ミクロの世界で働く物理法則量子力学」の性質を利用する新しい技術のことです。「量子コンピューター」や「量子暗号」、「量子計測」があります。この技術によって新しいサービスを生み出したり、カーボンニュートラルなど持続可能な経済発展を進めたりするといった、幅広い分野への応用が期待されています。

Q 量子コンピューターとはどんなものですか

A 量子力学的な現象を使って高速で計算できる次世代のコンピューターです。

 日常で使うスマホも高性能のスパコンも、内部ではあらゆる情報を「0」か「1」のどちらかで表現しています。

 一方、量子コンピューターは「0」と「1」の両方である特別な状態を利用して計算を進めます。

 この状態をうまく使うと、従来のコンピューターより計算回数を減らすことが出来ます。そのため、スーパーコンピューターにも難しい計算を、短時間で処理できると期待されています。

 新薬の開発や人工知能の高性能化などに役立つと考えられています。新しい国家戦略では、量子コンピューター上で動かすソフトウェアも量子技術のひとつに位置付けています。

 量子コンピューターでは様々なハードウェア方式が研究されており、世界的には「超伝導」「イオントラップ」という2種類の方式が盛んに研究されています。日本では超伝導方式の研究が進んでいます。

 ほかにも様々なタイプがあり、「半導体」や「光」を使う量子コンピューターも最近では盛んに研究されています。

Q 量子暗号や量子計測とはど…

この記事は有料記事です。残り1523文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら