「五輪でメダルとれなくてよかった」 WEリーグトップ、その心は?

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金島淑華
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 国内初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕して半年。1試合平均の入場者数は目標の5千人に遠く及ばない。苦戦は予想していたのか。プロ化の時期は妥当だったのか。リーグトップの岡島喜久子チェア(63)に聞いた。金島淑華

見切り発車にも見えるけれど…

 家族連れや中高の女子サッカー選手たちの笑顔であふれる観客席――。描いた青写真とは違う現実に直面している。

 11クラブで争うWEリーグの1試合平均入場者数は、10節終了時点(全22節)で1715人にとどまる。「コロナ下で『試合を見にきて』とは言えない」ともどかしさを口にする。

 「あるクラブは数万枚のチラシを小学校に配布しようとしたら、教育委員会に断られてしまった。サッカーをしている女子中高生にも観戦してほしいけれど、呼びかけづらい。無料招待を断念したケースもあります」

 ただ、アマチュアの「なでしこリーグ」が国内最高峰だった2019年は1340人だった。コロナ下という事情を差し引いても、「5千人」は高すぎるハードルではないのか。

 そう尋ねると、「すぐに達成できると見越して設定した目標ではありません。興行として成功するために掲げなければならないライン」と正直な答えが返ってきた。

 見切り発車に見えるが、そう…

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2022年4月5日22時30分 投稿
    【視点】

    女子競技において、WEリーグは先駆者。岡島チェアとWEリーグのビジョンや取り組みにはいつもインスピレーションをもらっています。女性のエンパワメントというビジョンを前面に打ち出した戦略は、今はまだ知名度が低いかも知れませんが、着実に変革を起こ

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    伊木緑
    (朝日新聞記者=スポーツ、ジェンダー)
    2022年4月5日19時9分 投稿
    【視点】

    現在の1試合平均入場者数が1715人、目標は5千人――と聞くと、あまりにかけ離れているように感じますが、男子バスケットボールは2016年にBリーグが開幕する以前、2つのリーグに分裂していた時代はいまのWEリーグと同程度の平均入場者数でした。

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