フィギュア男子で「可愛い」が増加 北京五輪の記事数で男女伯仲

忠鉢信一 金島淑華
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 北京五輪のインターネット報道で、「可愛い」や「かわいい」がよく使われたのは、フィギュアスケートの日本選手の記事だった。23日開幕の世界選手権(仏モンペリエ)に出場する男子2人にもよく使われた。北京五輪は東京五輪より「可愛い」などを使った記事の頻度が増え、扱った内容で男女に分けると男女差が小さくなっていた。

 東京・北京両五輪開催中に「ヤフーニュース」で掲載された五輪関連記事を朝日新聞が分析した。「可愛い」などを使った記事は東京五輪で445件あった。北京五輪は216件と数では減ったが、全記事中の割合では1・43%から2・16%に増えた。

 記事の内容で男子、女子、男女、性別表記なしの4群に分け、「可愛い」などを使った記事の男女比を見ると、東京五輪では男子96、女子194と2倍以上の差があった。北京五輪では男子71、女子82と差が縮まった。

 「可愛い」などが含まれる記事に登場する選手は、最も多かったのが羽生結弦宇野昌磨鍵山優真坂本花織フィギュアの男女が続いた。

 選手名の前後5語以内に「可愛い」などが置かれた例では、鍵山が2月10日の男子シングルフリーで、銀メダルを決める得点が発表されたときの様子が「可愛い」と報じられた。日本フェンシング協会の武井壮会長もその場面についてツイッターで「鍵山くんのガッツポーズ可愛い」と書き込んだ。民放の男性アナウンサーが放送中に、鍵山を「かわいい子」と評したこともスポーツ紙で伝えられている。

 報道の内容は社会で共有されている考え方や価値を反映しているとされる。「可愛い」などは外見で優劣をつけたり、女性を子ども扱いしたりする表現として指摘されることがある。ジェンダーと報道が専門の愛知工科大の小林直美准教授は「言葉を使う意識が変わってきた可能性がある」と話している。(忠鉢信一、金島淑華

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