「生きているうちに」1歳で逝った息子を包んだ肌着、私が笑顔のわけ

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聞き手・服部尚
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 佐藤里麻さん(52)は、体重が2500グラムに満たない小さな赤ちゃんのための肌着をつくっている。

 自分も小さな赤ちゃんを産んだ。だから、その喜びとつらさがわかる。

 小さな肌着にこめた思いを、佐藤さんが語った。

「うちでは産めない」と言われ

 2008年の年末、妊娠5カ月のときに、おなかの赤ちゃんに病気があることがわかりました。

 赤ちゃんがうまく排尿できていない、胃の成長が確認できない……。くわしく検査をして、染色体に異常がある「18トリソミー」だとわかりました。

 医師やネットからの情報で、18トリソミーの子は流産することが圧倒的に多いと知りました。

 でもちょうどそのころ、初めて胎動を感じたんですね。おなかのなかで、なにかうごめく「ウニュ」っとした感じ。

 胎動は弱かったのですが、「あー、この子は生きているんだ。がんばってくれているんだ。応援しなきゃ」と強く思いました。

 でも、当時通っていた病院では「うちでは産めない」と言われました。

 「今回はあきらめるという選択をしてもいいんですよ」とも言われました。

 そこから、産むことのできる病院を必死で探しました。たまたま見たテレビで、専門的な治療ができるという宮城県立こども病院のことを知りました。

 当時は東京に住んでいたのですが、実家は仙台です。「ここで産みたい」と思いました。

 初診のときのことは忘れられません。

 医師から初めて「一緒にがんばりましょう」と言われました。

 ずーっと「産めない」と言われてきたので、その言葉はうれしかったですね。本当に夢のようでした。

 そんなとき、3歳下の妹から、思いがけないプレゼントを受け取ったのです。

 「赤ちゃんなかなか大きくな…

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