「転載はバカボン」パパが逮捕? 海賊版対策のキャンペーン

赤田康和
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 出版社などでつくる一般社団法人「ABJ」は海賊版対策のために、漫画「天才バカボン」のキャラクターを使ったキャンペーンを始めた。著作権問題を題材にした全50話の漫画をツイッターで1話ずつ配信していく。

 物語は、バカボンのパパが泥棒にそそのかされて海賊版サイトを作ってしまうところから始まる。

 14日正午に投稿された第1話は、泥棒が「全部コピーして無断転載するんです!」と海賊版サイトの制作を誘い、バカボンのパパが「なるほど! それは天才なのだ!」と応じている。

 ABJが発表したコマには、バカボンのパパが鉄格子の中にいて「わしはみんなのしあわせを願っていただけなのだ」と話している絵もあり、バカボンのパパが逮捕される未来が予告されている。

 キャンペーンは「天才バカボン」の著作権を管理しているフジオ・プロの協力で実現した。

 東京・渋谷の渋谷駅地下通路には、本編とは別に宣伝用に作製したポスターを貼りだした。その中にはレレレのおじさんが鉄格子の中にいる絵もある。

 著作権法は海賊版の配信だけでなく、海賊版と知りながらダウンロードする行為も禁じている。レレレのおじさんの絵はユーザー側が逮捕される可能性を示唆しているようにもみえる。

 ABJ広報部会長の伊東敦氏(集英社編集総務部長代理)は「人気キャラクターが犯罪者になってしまうという筋書きを認めてくれたフジオ・プロに感謝している。海賊版をたくさんの人が読むと、犯罪者が広告収入などで金もうけをしてしまい、漫画家には1円も入らない。海賊版の配信だけでなく読むのもやめてほしい」と話している。(赤田康和)

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