見城徹が語る石原慎太郎 「弟」「天才」はこうして生まれた

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聞き手・吉村千彰
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 二人三脚の始まりは、バラの花束と「太陽の季節」の暗唱だった。人気作家・石原慎太郎さんを口説くため、駆け出しの編集者だった見城徹さんが用意したもの。幻冬舎社長となり、石原さんの「弟」「天才」といったヒット作を世に送り出した見城さんが取材に応じ、作家であり政治家であった石原さんについて語った。

 けんじょう・とおる 1950年生まれ。75年に角川書店に入社、「野性時代」副編集長や「月刊カドカワ」編集長を歴任。93年に幻冬舎を設立。

――衆議院議員でもあり多忙の石原さんに会うのは大変だったそうですね。

 高校時代に「太陽の季節」をはじめとする短編群を読んで、眠れなくなるくらい衝撃を受け、「処刑の部屋」も全文暗唱できた。編集者として、絶対に一緒に仕事をすると決めていた。手紙を書いたら会ってくれて。石原さんは44歳、僕は25歳だった。バラは無造作に脇に置かれたので、必死になって「太陽の季節」を冒頭から暗唱したら、「わかった、わかった。君とは仕事するよ」と言ってくれた。

――それから17年後の1993年に幻冬舎を立ち上げました。

 すぐに石原さんが幻冬舎のあ…

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    プチ鹿島
    (時事芸人)
    2022年2月9日14時3分 投稿
    【視点】

    『個人的には「ババア発言」など容認できないこともあります』という記者の問いに『世間的な調整や気遣い、忖度のできない人なんです』とか『自分の思いに率直』という答えが返ってくるのが意味がわかりませんでした。 記者の方も「率直」を受けて石原

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    上原佳久
    (朝日新聞記者=文化、文芸)
    2022年2月10日6時1分 投稿
    【視点】

    私は作家・石原慎太郎さんを一度も取材したことがなく、一読者としての感想です。 初めて石原さんの小説を読んだのは2000年代前半、彼が都知事の立場で、外国人排斥、女性蔑視と受けとめざるをえない発言を繰り返し、物議をかもしていたころです。

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