その名も「オシリカジリムシ」 尻びれにかじりつく新種の甲殻類発見

町田正聡
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 鹿児島大学大学院理工学研究科の上野大輔准教授(40)は25日、新種の小型甲殻類(約1・3ミリ)を発見し、和名に「オシリカジリムシ」とつけたと発表した。鹿児島県出水市沿岸の干潟にいたハゼの仲間の尻びれに「かじりつくよう」に付着していたという。英国の学術誌のオンライン版に24日付で掲載された。

 上野准教授によると、体は茶色がかった半透明で殻に覆われ、あごが大小2種類ある。昨年5月に同大学院の是枝伶旺さんが出水市の小次郎川河口の干潟でチワラスボ(体長約15センチ)を採集。尻びれに付着している甲殻類を見つけた。小型甲殻類の分類が専門の上野准教授が詳しく調べたところ、新種と判明した。

 これまで1個体しか見つかっておらず、生態などは不明。あごや触角の形の組み合わせがこれまでにないパターンで、種より上の分類階級である属と科に該当するものがなく、新科、新属、新種として報告した。

 学名は発見した不知火海八代海の別称)にちなみ「コレフトリア・シラヌイ」。コレフトリアはギリシャ語でダンサーの意味。和名は、尻びれにかじりつく姿に「NHKみんなのうた」の人気キャラクターを連想し、「オシリカジリムシ」にした。「親しんでもらいたくて」と事前にNHK側とも相談したという。

 上野准教授は「動物プランクトンなどのカイアシ類に今ある約70の科にあてはまらないことを証明しようと、一つひとつ確認していった。生物分類で『科』が新たに設立されるのはとても珍しく、甲殻類の進化の歴史を解明する上でも意義が大きい」と話している。(町田正聡)

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