子ども政策の司令塔を担う新組織の名称を「こども庁」ではなく「こども家庭庁」に――。そんな政府の動きに、デジタル政務官の山田太郎参院議員(自民)が「こども庁の名称を強く訴えます」と異を唱えている。山田氏はこども庁創設の流れを作った、いわば仕掛け人のひとりだ。なぜ、「こども庁」という名称にこだわるのか。
「保守派」への配慮?
――なぜ、「こども家庭庁」ではダメなのですか。
今回のこども庁は、私と元厚生労働政務官の自見英子参院議員が中心になった若手議員の勉強会がきっかけです。もともとは「子ども家庭庁」という議論でしたが、勉強会で虐待サバイバーの方から話を聞いた際に「家庭という言葉に傷つく」と言われたのです。虐待を受けていたり、両親が亡くなられたりしている子どもたちもいる。そうした子どもたちに配慮すべきだというのが大きな理由です。
さらに、幼い子どもでも自分たちを守ってくれるところなんだとわかってもらえるように、象徴的な意味も込めて子どもの「子」の字もひらがなにしました。
子どもと家庭が不可分なのはわかりますが、学校だって、地域社会だって、子どもにとって重要です。「こども家庭庁」とすると、子どもと家庭だけに注力する組織なのかと誤解を招くし、傷つく人だっている。そうした議論を積み重ねてきたので、シンプルに「こども庁」でいいのではないですかと。
――伝統的な価値観をもつ保守派への配慮とも言われています。
インタビュー後半では、「こども庁」創設に向けて自民党総裁選でどう動いたのか、水面下の動きを振り返ります。
どうして保守派への配慮にな…
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