団地マニアの聖地「白鬚東アパート」を歩く 建物自体が防火壁

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奥山晶二郎
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 それは、まるで巨大な城壁だった――。団地マニアの間でひそかな人気を集める「都営白鬚(ひげ)東アパート」。全長1.2kmにわたる建造物自体がファイアウォール(防火壁)になっている。普段、筆者はウェブメディアの編集に携わっている。ネットの世界では編集と広告を分ける目には見えない「防火壁(ファイアウォール)」が話題になることも多い。世にも珍しいリアルな防火壁をじっくり見てみようと足を踏み入れた。

 東京スカイツリーから北に約3.5km。荒川と隅田川に挟まれた「江東デルタ」に、「都営白鬚東アパート」はある。

 「向島から歩いてくるとドーンと現れる姿が珍しいんでしょうかね」。マニアに人気の理由をたずねると、東京都住宅供給公社の林豊雄所長が、戸惑い気味に話してくれた。

記事後半では、たくさんの写真とともに、白鬚東アパートの「攻めの防災」への気概を探ります。

 1号棟から18号棟まで約1…

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