昨季MVPと新司令塔が感じる「わくわく感」 大型補強のB1島根

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小俣勇貴
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プロバスケットボールのBリーグは30日、6季目が開幕する。発足から、優勝どころか決勝に進出するチームまで〝東〟地区のクラブが独占。「東高西低」の構図のなか、今季はリーグ屈指の選手たちが「西」へ動いた。

 7月1日のニュースは、プロバスケットボールBリーグ1部(B1)、島根スサノオマジックファンだけでなく、バスケットファン全体を驚かせた。

 昨季の西地区5位だった島根に、レギュラーシーズン最優秀選手(MVP)のシーホース三河の金丸晃輔(32)が移籍することが決まった。

 同時に、アルバルク(A)東京をリーグ連覇に導いた司令塔、安藤誓哉(29)の加入も明らかに。日本代表に名を連ねる2人がこれまであまり目立たなかったチームに加わった。

 島根はB2との行き来を経験し、チャンピオンシップ(CS)に一度も出場がない。今季がB1での4シーズン目。上位を目指すために交渉にあたった堀健太郎GMが振り返る。

 「とにかく必死でした。クラブとしては成長段階にある。一緒に成長したいという思いを伝えた」

 この言葉が、日本屈指のシューターがひそかに抱いてきた思いをくすぐった。

 金丸は福岡大大濠高、明大を経て日本リーグ時代のパナソニックに加入し、新人王を獲得。2013年に三河に移り、8季。日本を代表するシューターとして活躍してきた。そんな金丸はリーグでの戦いに閉塞(へいそく)感を感じていた。

 「上位チームにはうまく分析されて思うようにプレーできず、打開策の引き出しがなくなりつつあった。他のチームだったら僕をどう使うのだろうか」

 この「興味本位」という思いから、移籍への意欲が膨らんでいった。

 「これから先、キャリアも長くない。チームを作っていくことに興味があった」とも話す。完成度が高いチームには心ひかれなかった。

 島根はニュージーランド代表を率いた経験があるポール・ヘナレ新監督を招き、攻守交代の速さを重視するバスケットスタイルに挑もうとしていた。

 ハーフコートで攻撃を組み立てる三河とは正反対。自らの選手としての可能性を広げるにも、うってつけの移籍先に見えた。「上位のチームに入って勝つことより、こつこつ頑張って上を目指していく方が僕には合っているのかなと」。島根への移籍を決めた。

 安藤も、金丸と似たような感情を抱いていた。明大から海外挑戦を経て、国内でも3クラブに所属。4シーズンを過ごしたA東京では、主将も務め、2度の優勝を経験した司令塔だ。離れるつもりはなかった。

 ただ、島根からの熱意あるオ…

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