速攻で横綱撃破 明生「5度目の正直」でつないだ可能性

小俣勇貴
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 大相撲秋場所(東京・国技館)は12日目の23日、新関脇の明生が首位を走る新横綱照ノ富士を破り、独走に待ったをかけた。

 相手は1敗で首位を走る新横綱の照ノ富士。明生はシンプルに、とにかく攻め続けた。

 立ち合い。低く鋭くぶつかり、間髪いれずに突きはなす。相手が上手で狙う前まわしをとらせなかった。さらに前へ出て右を深く差す。その手がまわしの結び目あたりまで届いた。振り払おうとする横綱の小手投げをしがみつくようにしてしのぎ、すぐに右の下手投げを打ち返した。「無我夢中でした」と明生。約6秒の速攻で、横綱を土俵下へ追いやった。

 「5度目の正直」だ。これまで幕内で4戦全敗だった同期生から奪った初白星。7敗と、あと1敗で負け越しという状況に追い詰められた新関脇が意地を見せ、言った。

 「明日につなげようという強い気持ちだった」

 つながったのは、明生の勝ち越しの可能性だけではない。この日、2敗で追っていた妙義龍が後退。さらに、横綱との直接対決を残す関脇御嶽海と大関正代がそろって4敗目を喫した。結びで照ノ富士が勝っていれば後続と2差がつき、2015年初場所白鵬以来となる13日目での優勝決定の可能性が出てくるところだった。そんな独走に待ったをかけた。

 照ノ富士の優位は依然として変わらない。最終盤まで優勝争いがもつれるには、脱落しかけた正代ら、上位陣の奮起が不可欠だ。明生に続き、意地を見せられるか。13日目、まずは御嶽海だ。(小俣勇貴)

 ●正代 逸ノ城にこれで3勝10敗。「相性がよくないのか、どこかで連敗を止めたいですけど。立ち合い的には悪くないので明日につなげられたら」

 ○阿武咲 首位と1差だが「特に、何も考えることないですし、一日一日、取り切ることを心がけます」。

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