軟式野球でも投球数制限 悩む監督、急成長の投手も登場

小俣勇貴
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 軟式野球の第66回全国高校選手権大会(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社、毎日新聞社など後援)は29日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で準決勝2試合が行われる。

 投手の投げすぎを防ぐため、硬式とともに昨春から導入された「1週間500球」の投球数制限。昨夏は中止だったため、夏は今大会から初めて運用された。その効果もあって、1回戦で投手を完投させたチームは2年前の第64回大会の10チームから5チームに減った。投手を故障から守ろうという機運は軟式でも着実に広がっている。

 選手12人で挑み、15年ぶりに初戦突破を果たした松山商(四国・愛媛)。先発して5回無失点と流れを作ったのは背番号7の荒木大志だった。柳原章寿監督は目を細める。「新チーム発足時の投手は2人。制限を考えて3人目を作ろうとした。それが荒木。最も成長してくれた」

 準々決勝敗退の松商学園(北信越・長野)は、1回戦、準々決勝とも2年生の味沢拓己が先発。1点も許さなかったが、臼井弘輔監督はいずれも五回で降板させた。「コロナ禍で体力的に完投できる選手を作れなかったというのが正直な話」

 「硬式よりもひじや肩への負担が軽い」とみられがちな軟式野球。使用球(M号)の重さは136・2~139・8グラムで、141・7~148・8グラムの硬式球とさほど変わらない。投手の負担は決して小さくはない。

 日程的にも、決勝まで勝ち上がれば6日間で4試合を戦うことになり、全試合がルールの対象になる。作新学院(北関東・栃木)はエースの小林歩夢の2試合連続完封で準決勝へ進んだ。総投球数は239球。黒川陽介監督は勝利と負担軽減の間で、投手起用に頭を悩ませる。「うちはそこまで強くない。難しいですね。2番手の投手もいるので、制限を頭に入れながら戦いたい」(小俣勇貴)

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