【アーカイブ】(NIPPON 映画の旅人)「戦国自衛隊」 長野市川中島

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中島鉄郎
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【2014年5月24日朝刊週末be】

危険なアクション仕切る(1979年)

 映画200、テレビ1300。俳優千葉真一さん(75)は、自分が出演した約1500本で「戦国自衛隊」は3本の指に入る作品、と力を込めた。

 「本当に面白かった。自分で考えたアクションだから、ワクワクしましたね」

 日本海沿岸の演習集合地に向かっていた自衛隊の小隊が、戦車やヘリコプターなどとともに戦国時代へタイムスリップ。そこで出会った長尾景虎(後の上杉謙信)と協力し、天下統一の戦いに挑むという物語だ。

 当時40歳の千葉さんは主人公の自衛官・伊庭(いば)義明3尉を演じたうえに、日本初の「アクション監督」として活劇場面を仕切り、自分で撮影もした。

 東映ニューフェースとして芸能界入りし、テレビ「キイハンター」で人気が急上昇した千葉さんは1970年、アメリカ映画のようにアクションができる俳優の養成を目標に「ジャパンアクションクラブ(JAC)」を設立。本作は、その成果を見せる格好の舞台だったのだ。

 映画の大きな見せ場は「川中島の戦い」だ。長野市千曲川と犀川に挟まれた三角州の一帯。上杉謙信と武田信玄がその周辺で5度にわたって死闘を繰り広げた歴史上の戦いが、「自衛隊VS.武田信玄」という虚構の戦闘に替わった。

 近代兵器を備えた自衛隊に対し、武田軍は火縄銃300丁を有し、走る戦車の足元に、丸太を乗せた「独輪車」を突っ込ませるなど、激しく応戦する。

 約30分続く戦闘場面は、シナリオでは2シーンだが、400カットに及び、撮影には20日間以上が費やされたという。

 「人馬転倒」という特殊技術がある。

 西部劇で見られる、馬が人と…

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