福岡の霊峰にヒキガエル登頂 難所と天敵かわし56日目

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岩田誠司
宝満山の山頂に到達したヒキガエルの子
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 修験の霊峰・宝満山(ほうまんざん)(福岡県、標高829メートル)を登っていたヒキガエルの子たちがついに、山頂に到達した。登山開始から50日余り。数々の難所を切り抜けて大きさも倍ほどに成長したカエルたちを、登山客が温かく迎えた。

 朝から小雨となった4日午前8時。霧に包まれた山頂に至る最後の石段の袖石を、体長2センチほどになったカエルが登っていた。高さ約3メートル余りの急勾配だが足並みは快調。足を滑らせることもなく登り切ると、うれしそうにピョンピョンと2回跳びはね、山頂に立つ竈門(かまど)神社上宮に向かって歩みを進めた。

 その後も1時間足らずで5匹ほどが登頂し、気付いた登山客がカメラで撮影したり、「ようがんばったね」と声をかけたりした。

 宝満山のヒキガエルは、1合目と2合目の間にある池で卵からかえり、オタマジャクシを経て陸に上がると、無数の群れで一斉に山を登り始める。カエルに詳しい研究者も「山頂まで登る例はほかに知らない」という不思議な生態で、昨年、太宰府市の「市民遺産」に認定された。

カエルの体長は2センチほど。人間の大きさにあてはめると、どのぐらいの距離になるのでしょうか。そしてカエルたちはなぜ山を登るのでしょうか。

 池から山頂までは標高差約6…

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