「田中角栄で10年損」の真意 編集者が見た立花隆さん

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高橋真理子

 いつのころからか「知の巨人」と呼ばれるようになった。膨大な読書量、理系文系の壁を軽々と越えて縦横に広がる取材テーマ。だが、立花隆さんは「何でも知っている人」ではなかった。「知りたがる人」だった。

 雑誌やテレビを舞台に、1970年代からほとんど途切れることなく発信し続けた。著作の数はジャーナリストとして群を抜く。

 文芸春秋社のサポートのもとチーム取材という新しい手法を使い田中角栄元首相の金脈追及で名を上げたのは30代半ば。「中核・革マルの『仁義なき戦い』」(現代)、「日本共産党の研究」(文芸春秋)、「農協 巨大な挑戦」(週刊朝日)も同時期に連載した。「圧倒的に強い敵に向かって筆一本でたたかう」(梅原猛氏)フリージャーナリストの鮮烈なデビューだった。

 以後、米国の宇宙飛行士たち…

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