型破り物理学者が見つけた 花いっぱいの庭の造り方

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高橋真理子
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 スペースシャトルを使う人工オーロラ実験や重力波の検出器開発に取り組んだ物理学者が、喜寿の翌年から「年中 花いっぱいの庭づくり」を始めた。ついにはこのタイトルで電子書籍も出版。東京都八王子市に住む河島信樹さんのお庭を見に行った。

 八王子市の多摩丘陵に「ニュータウン」として1970年代に誕生した住宅街。ありました、花いっぱいの白いプランターがずらりと並ぶおうちが。赤、黄、紫、白の花々がひしめいている。

 河島さんは、型破りの物理学者である。「この道一筋」に高い評価が集まる日本社会の中で、ポンポンと研究対象を変えてきた。

 核融合から宇宙実験、月探査、重力波。いずれ劣らぬ科学の大テーマだ。「過去の貯金で生きない」「人と同じことはしない」がモットーで、それは趣味でも同じ。20代から謡曲をたしなみ、還暦記念に能を舞い、その後に学んだ声楽で喜寿記念として新宿文化センター大ホールでオペラカルメンの一人三役を披露した。

 このあと始めたのが花づくりである。「50年以上前、海外旅行が珍しかった時代に欧米を旅して、家々に花がたくさんあるのに感動した」体験がベースにあった。妻の敬子さん(76)が庭で花づくりをするのを横で見ていて「手間をかけている割にきれいな花が咲いていない」とも思っていた。

 「おやじは菊づくりをしていたんですが、これも手間をかけるのがやりがいみたいなところがありますね。そうではない、誰でもできるやり方を考えようと思った」

編み出した「庭の生け花」 でも敬子さんは

 大原則は「手間をかけない」…

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