中東のシリアやイエメンなどで、内戦が長期化する中、多くの一般市民らが適切な医療を受けられずに、命が危険にさらされている。紛争地で医療支援に従事した経験を持つ、「国境なき医師団日本」の事務局長になった村田慎二郎さんに現状を聞いた。
むらた・しんじろう 1977年生まれ。外資系IT企業で勤務後、2005年に国境なき医師団(MSF)に参加。南スーダン、シリア、イエメンなどで活動責任者として、医療支援活動に従事。20年8月からMSF日本初の日本人事務局長に就任した。
――内戦が続く紛争地の医療は危機的状況にあるといわれています。
「中東のイエメンなどは深刻だ。原因は医療機関への攻撃の増加。紛争地での犠牲者というと、銃撃や爆撃による被害を思い浮かべるが、それだけではない。子どもも生まれるし、高齢者や弱者が治療を必要とすることもある。空爆などで病院が破壊されてしまうと、一般市民のライフラインが奪われてしまい、救える命が救えなくなる」
――なぜ医療機関への攻撃がやまないのでしょうか。
「政府側が、反政府的なグル…
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