「10年報道、つらかった」 震災遺族ら語り合う

石橋英昭
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 【宮城】東日本大震災で大切な人を失った遺族らによる「震災フォーラム」が27日、仙台市青葉区で開かれた。遺族の集まり「つむぎの会」の主催で今年で10回目。悲しみについて、20人近くが語り合った。

 震災10年の3月、関連の報道が集中し、津波の映像が繰り返されたことが「苦しかった」と言う遺族が、少なくなかった。警察官の息子を亡くした荒セツ子さん(72)は「10年、10年というが、私の気持ちは何も変わらない。身のおきどころがなかった」。

 津波から助かった人、3月11日に生まれた子どものニュースも多かった。生後8カ月の長男など4人が犠牲になった竹沢さおりさん(45)は「よく『生かされた命』という表現を聞く。じゃあ私の息子は生かされなかったのかと、つっかかりたくなったこともあった」と葛藤を打ち明けた。

 遺族たちは、周囲に理解されないつらさ、苦しさを分かち合い、支え合ってきた。娘と孫2人を失った佐藤真智子さん(67)は「悲しい縁で結ばれた皆さんですが、これ以上ない友情になった」と話した。石橋英昭

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