第1回石炭火力、社長も「逆風は認識」 安定気候享受権に注目
「この判決は非常に希望を感じさせるものでありました」。今年1月26日、京都市内で開かれた環境NGOのイベント。弁護士の浅岡美恵(72)は、前月に出たばかりのオランダの最高裁判所の判決を興奮気味に紹介した。
浅岡によると、判決はオランダ政府に気候変動の脅威から国民を守る義務があるとして、温暖化を招く温室効果ガスの削減強化を命じるものだった。浅岡は強調した。「気候変動の被害は現実で差し迫った危険だと認めたのです」
京都で1997年に開かれた温暖化防止の国連会議で、日本のNGOのまとめ役だった浅岡。NGO・気候ネットワークの代表として、温暖化をめぐる市民運動の先頭に立ってきた。だが、日本政府の取り組みは遅く、温室効果ガスの巨大排出源である石炭火力発電所の建設も進む。
浅岡は現在、神戸市内で建設…